「農業がやりたい」というご主人の夢を叶えるため、家族で東京から石岡に移住してきた田中さん一家。有機農業のことや移住のことなど、家づくりの事以外にもいろいろなお話しを聞かせていただきました。
2011年に、農業がやりたくて東京から移住してきました。いろいろ調べる中で、ここ石岡市の八郷町エリアでは有機農業への新規就農者支援が他よりも充実していることがわかり、思い切って引っ越しを決めました。
当初は一戸建ての家を借りていましたが、家を建てることになり、ネギ農家を営む仲間から豊崎さんを紹介してもらいました。何の縁もない土地でしたが、農業を通じてできた繋がりのおかげで無事家を建てることができました。
「昔の農家」みたいな家にしたいと思っていました。玄関が広くて風通しが良くて、古民家風のイメージです。柱が表に見える真壁づくりと、広い土間も希望でした。素材は豊崎さんからの提案で、シラス壁が良い雰囲気を出してくれています。
それから、子ども部屋は結構工夫しましたよ。我が家は3姉妹ですが、それぞれ独立した部屋を3つではなく適度にプライバシーが保てる空間をつくるための工夫です。空間が限られているので、家具を決めてぴったり収まるようにしてもらいました。コンパクトな中に必要な機能を盛り込むことができたのでなかなか良くできていると思います。空間を仕切っている壁を壊すと10畳の広さになるので、子どもたちが独立した時には自分たちの部屋になる予定です。
家のイメージや希望を伝えるのって難しいですね。豊崎さんの前に相談した別の会社があったのですが、うまく伝わらないし、真壁づくりもできないと言われたり…。結果的に豊崎さんにお願いして満足しています。忙しい合間を縫ってファストフードショップでたくさん打ち合わせをしましたよ。工事が始まってからは「はやくできないかな〜」と待ち遠しい気分でしたが、基礎が完成してからは早かったですね。ある日突然家の形になっていたのが印象的でした。引っ越しの時は、自分たちと同じように移住してきた農家の仲間たちが軽トラで一気に荷物を運んで収納も手伝ってくれたおかげで、すぐに生活ができるようになりました。
暮らしはじめて、夏の間はシラス壁や広い玄関のおかげで湿気もあまり感じることなく風通しも良くて快適でした。それに、リビングの梁と一枚板のダイニングテーブルは存在感がありますね。
この土地で有機農業をはじめて7年、自然が相手なので上手くいかなくて大変なこともありますが、思い切って移住してきて良かったと思っています。親切な地元の方々と移住者同士のつながりももちろんのこと、夢だった農業という仕事はとてもやりがいがあります。無事に希望どおりの家もできたことですし、ここを拠点にもっとたくさんの有機野菜をつくっていきたいと思います。